◇どんな病気なの?
 
  ・簡単にいえば子宮内に膿汁が溜まる病気です。      
  ・嚢胞性子宮内膜過形成の病態で細菌感染すると子宮蓄膿症に至るといわれています。
  ・細菌感染は通常,子宮頸管からの感染が原因であり,更にプロゲステロンを介して白血球機能が
    抑制され,二次性細菌感染が促進される。感染菌は膣の常在菌から起こる。大多数の症例から
    大腸菌が分類される。その他に溶血性レンサ球菌,ブドウ球菌,クレブシェラ,パスツレラ,
    シュードモナス,プロテウス,マラセチアなどが分類され,混合感染も多い。感染菌が血中に入る
      事はないが,エンドトキシンが血中に入り,全身の状態を悪化させる。
  ・妊娠予防の為のエステロゲン使用は,子宮蓄膿症になる危険性を増大させる。
  ・子宮蓄膿症は,発情後またはプロゲステロン投与後1〜2ヵ月後に発現する事が多い。
  ・無気力,沈うつ,食欲欠乏などがよくみられ,頸管閉塞性蓄膿症の場合には更に重度といえる。
  ・膿性分泌物が特徴的であるけれど,血液や粘液を含む事もある。
  ・多尿,代謝性多飲多渇が起こるのは,腎尿細管濃縮能の障害による。          
  ・頸管閉塞性蓄膿症は敗血症によって起こり,ショック,低体温症,虚脱などを起こす。
  ・発熱は必ずしも起きるものではない。
  ・未経産犬に多いが,長く繁殖を休止している犬にも多発する。
  ・5〜7歳以上になると発生率が急増する。これは不妊性周期を反復する事により,加齢と共に子宮内膜の
     嚢胞性増殖を示す個体が多くなる事による。
  ・多尿と嘔吐が頻繁に起きると脱水状態となり,自家中毒症状となる。
     a.脱水が高度になると皮膚が乾燥して弾力を失い,脱毛が起きる。
     b,中毒症状の軽重は,頸管の開張程度と子宮内の変性の程度によって異なる。
     c,一般に閉塞例では重度であり,下痢を伴う事もある。
     d,嘔吐の激しい時は,電解質異常が存在する。
  ・腹部の膨満または下垂の症例(慢性型の閉塞例に顕著)。触診の時,疼痛を示す事もある。
  ・陰門の腫大はほとんど全例にみられる。特に慢性型に多い。
  ・開放性子宮蓄膿症の場合,帯下がある。
  ・治療の選択肢には,外科療法と内科療法があるが,長期的に見た場合,内科療法の再発は
      77%に達する。
  ・想像妊娠を繰り返す犬は,将来子宮蓄膿症になる確立が高い(想像妊娠はホルモンのバランスが
       崩れている事によって起こる)。
  ・子宮内膜炎を繰り返していると将来,子宮蓄膿症になる確立が高い。  
 
        
 
 
参考文献
 サウンダース小動物臨床マニュアル  文永堂
 犬の診療最前線              interzoo
 犬の臨床                  Dairyman