☆ワルファリン中毒      
  現在日本で使用されている殺鼠剤としては,硫酸タリウム剤,モノフルオル酢酸ナトリウム剤<リン酸
亜鉛剤とクマリン剤である。クマテトラリルとワルファリンに分類されるクマリン系殺鼠剤は,一般の人々が
容易に入手出来る事から犬の中毒源としては重要である。
   ◇毒性および性質
1,一回投与中毒量は5〜50mg/kgである。概算急性致死量は,20〜30mg/kgである。
2,慢性蓄積中毒量は,1〜5mg/kgを5〜15日摂取である。概算慢性致死量としては,
上記を日量として計算する。
3,ワルファリンは,ビタミンKエポキシド・リダクターゼが減少すると,ビタミンKの活性化が阻害される。
4,ビタミンkエポキシド・リダクターゼが減少すると,ビタミンKの活性化が阻害される。
5,ワルファリンは,機能的ビタミンKに依存する凝固第U,Z,\,]因子の産生に
 
  不可欠である。ビタミンK酵素複合体(ビタミンKエポキシド環)に干渉するために血液凝固不全が起こる。
6,ビタミンKエポキシド・リダクターゼの減少はエポキシドからビタミンKに復帰する再利
    用循環を妨げる事により,肝臓に貯蔵されたビタミンKの急速な枯渇を生じる。
 
☆薬物中毒による腎疾患 
  薬物を生体内に投与した事により引き起こされる陣疾患をいう。腎毒性がある薬物投与後に腎機能障害が
認められたなら本症が疑われる。また,併用により腎毒性が現れたり,強化する薬剤もあるので,
使用した薬剤を全てチェックする必要がある。また,すでに腎機能障害の認められているものでは,
腎毒性の薬物の投与を避けた方が賢明である。腎臓は薬物の排泄器官であるので,腎臓の実質細胞は
薬物が尿細管を通過する時及び再吸収や分泌が行われる時にはかなり高い濃度の薬物と接触する。
よって腎組織は多くの薬物に影響を受けると考えられる。
  
    ☆薬物中毒による血液疾患 
  薬物を生体内に投与した事により引き起こされた血液疾患をいう。骨髄抑制作用を有する薬物を
投与した後,白血球数の異常や貧血が認められたもの,あるいは,出血傾向の発現したものでは,
これを疑う。
 
    ☆薬物中毒による皮膚疾患  
  薬物に対する皮膚または粘膜皮膚結合部の反応で,多くの場合,種々の程度の掻痒を伴う。
薬疹の定義としては,成書により若干の差異がある。アレルギーの反応だけに限定しているものと,
薬物の持つ薬理作用,酵素阻害,非耐性,特異体質まで幅を広げているものもある。しかし,
臨床においてはいかなる形や経過であろうと,薬物投与に関連して起きた皮膚疾患全てを
考えていくべきである。                               
 

       
犬の診療最前線・interzoo より