☆若年期低血糖症    
  血糖値が正常な細胞機能を維持出来ないほどに低下し,中枢神経系の機能低下や自律神経系の
交感神経の刺激によって起こる臨床症状を伴った化学的異常をいう。
   原因は年齢によって異なる。
1,新生仔(6週未満)の場合
  1)高いエネルギー要求量
  2)糖新生酵素システムが未熟
  3)糖新生に使われる体重あたりの蛋白質量が少ない。
  4)肝グルコース産出と血糖との間のフィードバックシステムがない。
2,6週齡以上の若年の場合
  1)寒冷
  2)飢餓
  3)下痢を伴った胃腸疾患
  4)リピド-シスやケトン尿に関連して
    
     ☆猟犬の機能性低血糖症   
  猟犬特有に起こる低血糖症で狩猟開始後1〜2時間後に起こる。インスリンの過剰分泌と
グリコーゲン貯蔵病タイプVが原因と考えられている。  確証はない。
  
     ☆糖尿病        
  膵臓の?細胞からのインスリンの分泌が絶対的または相対的に不足するか,あるいは末梢での
インスリンの作用が損なわれる事により起こる代謝性疾患である。インスリンの相対的不足や末梢での
インスリンの作用が損なわれる場合も,時間の経過とともに,膵臓のインスリン分泌が枯渇し,絶対的
インスリン不足となり得る。糖尿病は,糖不耐性を特徴とするものであるが,蛋白質及び脂質の異化作用
障害も臨床症状を生み出す点で,重要な役割を果たしている。幸いにも,炭水化物の異常は簡単に量的な
把握ができるので診断やモニターとして広く応用されている。犬に最も多くみられるのは絶対的インスリン不足
(インスリン依存型)からくる糖尿病で,低インスリン血症があり,ケトアシドーシスを発症しやすい。
好発犬種は,ドーベルマン,シェパード,コールデン・レトリーバー,プードル,
オールド・イングリッシュ・シープドッグ,ロットワイラーなどとされているが,飼い主の生活習慣
(食物の内容と量及び運動量など)が飼い犬を糖尿病へと導いているケースも多く見受けられる。
     
     ☆グリコーゲン貯蔵病     
  グリコーゲンの代謝に必要な特定の肝酵素欠乏から起こる。肝酵素の欠乏によりグリコーゲンが蓄積し,
著しい肝・腎臓の腫大,発育障害,低血糖を来す。ヒトでは8タイプに分かれているが,犬では3タイプが
報告されている。
   
     ☆肥満症      
  肥満とは体脂肪の異常に増加した状態。犬の肥満の原因は,単純性肥満,症候性肥満を問わず,
消費エネルギーを超えて過食させたためである。一般には,肥満を疫病と捉えない事が普通であるが,
循環器を始めとして各臓器に障害を与える原因となるので,肥満を病気と捉えた方がよいと考えられている。
     
     ☆高脂血症     
  高脂血症は血漿脂質分画の1種あるいは2種以上のものが増加した状態と定義されている。
遊離脂肪酸(FFA)以外の血清脂質は全てリポ蛋白の形で血清に存在している。程度の差はあっても,
どのリポ蛋白にもあらゆる種類の血清脂質が含まれているので,血清脂質分画の増減を正確に
推定する事は困難である。臨床的に空腹時に採血した血清が白濁していた場合などを高脂血と
いっているが,これは脂質代謝異常による高カイロミクロン血症というべきで,高脂血症の1つとして
分類されるべきものである。
 
   ☆アミロイドーシス
  身体の種々の器官や組織におけるアミロイド(糖蛋白ないしムコ蛋白が中心の蛋白の一群)の
細胞外蓄積を特徴とする原因不明の疾患で,次ぎの4型に分けられる。
  1,原発性アミロイド-シス:前駆疾患がなく,骨格,心筋,腸管壁,
     肺などの中胚葉組織にアミロイドが沈着する。
  2,続発性アミロイド-シス:最も多い病型。慢性消耗性疾患に続発する。
      肝臓,膵臓,腸管などにアミロイドが沈着する。
  3,多発性骨髄腫に伴うアミロイド-シス。
  4,限局性アミロイド腫瘍。
 

      
 犬の診療最前線・interzoo より