☆甲状腺機能亢進症 
  甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンのサイロキシン(T4)およびトリヨードサイロニン(T3)の生産および
分泌が亢進し,血中の甲状腺ホルモン濃度が高値を持続する甲状腺疾患である。
    ◇原因
 1,良性腫瘍
 2,甲状腺癌:犬の甲状腺機能亢進症の一般的な原因で,70〜90%は悪性と
    いわれている。 
 
     ☆甲状腺機能低下症  
  甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモン(T3およびT4)の生成あるいは分泌の不足,または末梢細胞の
相互作用が不十分なことが引き起こす疫病で,ほとんどすべての器官系の代謝機能に影響する。
    ◇原因
1,一次性甲状腺機能低下症(甲状腺機能障害)の場合(犬に多い)
  1)リンパ球性甲状腺炎
  2)特発性甲状腺萎縮
2,二次性甲状腺機能不全(下垂体向甲状腺細胞機能障害で,甲状腺刺激ホルモン:TSH分泌不足)の場合
  1)TSH分泌の不足による甲状腺濾胞萎縮
  2)下垂体の形成異状
  3)下垂体の破壊
  4)下垂体向甲状腺細胞の抑制
3,三次性甲状腺機能低下症(視床下部機能障害,甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン:TRH分泌不足)
  1)先天的奇形
  2)後天的破壊(事故などによる)
  3)ヨード欠乏
  4)両側甲状腺切除
  5)その他
 
     ☆副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
  副腎皮質機能亢進症は,副腎皮質から分泌されるホルモンの慢性的な分泌過剰状態から発症する
すべての症候群をいう。以下の3群に分けられる。
 1,クッシング症候群:下垂体腫瘍あるいは下垂体のACTH過剰分泌に起因する両側性副腎皮質肥大
 2,医原生グルココルチコイド過剰:過剰あるいは長期にわたるコルチコステロイドの投与によって起こる。
     この場合に副腎皮質は萎縮している。
 3,機能的副腎皮質癌腫あるいは腺腫:犬には少ない。(症例の10〜20%)
 
     ☆副腎皮質機能低下症 
  副腎皮質機能低下症はグルココルチコイドおよび(あるいは)鉱質コルチコイドの分泌が生体にとって
必要以上に減少した場合をいう。一次性副腎皮質機能不全は副腎皮質全層の破壊あるいは萎縮により,
アジソン病ともいう。二次性副腎皮質機能不全は,下垂体ACTHの分泌低下によりグルココルチコイドの欠乏
だけをもたらす。自発性副腎皮質機能低下症は主として若齡ないし中齡の雌犬が罹患する。
    ◇原因
 1,特発性破壊(免疫介在性)
 2,感染性,および血管疾患
 3,o,p’‐DDDはグルココルチコイド欠乏をもたらす。また,ACTH産生の不足は続発的に
      副腎皮質機能低下をもたらす。
 4,長期および高用量の外因性コルチコステロイド治療の突然の停止。
 5,視床下部あるいは下垂体における疫病。    
 
☆インスリノーマ   
 膵インスリン産生ランゲルハウス島の腫瘍で,腺腫または癌腫を総称していう。低血糖発作を主症状とする。
 
       ☆エストロゲン過剰症  
  エストロゲン産生腫瘍あるいはエストロゲンの過剰投与により発症する。
    ◇原因
 1,外因性
    エストロゲンの過剰投与
 2,内因性
    エストロゲン産生腫瘍(セルトリ細胞腫,セミノーマ,ライディッヒ細胞腫,卵巣腫瘍)
 
       ☆セルトリ細胞腫  
  睾丸のセルトリ細胞に発生した腫瘍。睾丸の腫瘍は他に精祖細胞にできるセミノーマ,ライディッヒ細胞に
できる間質細胞腫がある。雄犬では,睾丸は皮膚に次いで腫瘍発生が多い。部位で,停留睾丸での腫瘍発生は,
陰嚢内睾丸に比較して,非常に高率である。                                                                       
 

         
 犬の診療最前線・interzoo より