☆上室性期外収縮                                                   
上室性期外収縮(SVPC)は上室性早期拍動とも呼ばれ、心室より上位の刺激伝導系(上室:洞結節,
心房,房室結節,ヒス束)で発生する早期興奮に起因する早期収縮のことをいう。早期興奮の発生部位
により、洞性期外収縮,心房性期外収縮,房室性接合部性期外収縮に分類される。
    ◇原因
  1.心房拡大:僧帽弁閉鎖不全症,先天性心疾患,心筋症など。
  2.重度の右心不全:進行したフィラリア症等。
  3.右房の負荷:VCSなど。
  4.腫瘍の心房筋への浸潤:大動脈基部の腫瘍,血管肉腫,リンパ種などの腫瘍。
  5.迷走神経緊張過剰:毒血症,尿毒症,ジギタリス中毒,麻酔など。
 
      心室性期外収縮
   1.先行するP波を伴わない幅の広いQRS波が基本調律のPR間隔よりも早期に出現するものをいう。
   2.心室早期収縮または心室早期拍動とも呼ばれる。
   3.心室性期外収縮(VPC)は犬と猫において高頻度に認められる不整脈である。
   ◇原因
   1.心室筋の刺激,炎症,繊維化など(いわゆる原発性)。うっ血性心不全,心筋炎,
     心筋症,心膜炎,心臓性腫瘍,先天性心疾患など。
   2.続発性:甲状腺機能亢進症,甲状腺機能低下症,貧血,電解質異常,尿毒症,
      ストレスと不安,低酸素症,胃拡張(胃捻転)など。
   3.薬物誘因性:ジギタリス,エビネフリン,イソプロテレノ-ル,麻酔剤,アトロピンなど。
 以上のような疾患,薬剤などが原因としてあげられるが、基本的には、自発性脱分極
   もしくは回路内移動(リエントリー)を生じさせるような細胞の変化によってもたらされる。
 
 
       ☆上室性頻拍   
    1.発作性上室性頻拍(paroxymal supraven-tricular tachycardia)突然に発生し、また
突然に停止する、通常正常QRS波形を示す規則正しい頻拍で、上室性早期拍動の病状がさらに
進行したもの。心房負荷が重度になった場合にみられる。
    2.持続性上室性頻拍
      1)1:1の心室性反応を伴った持続型の上室性頻拍である。
      2)犬の致死的なリズム障害である。
      3)リェントリ-回路は心房か房室接合部である。
 
      4)4つ以上の上室性早期拍動が連続して起こる場合をいう。
     ◇原因
    1.心房拡大:心疾患(僧帽弁閉鎖不全症,三尖弁閉鎖不全症,先天性心疾患,)など。
    2.心房筋に浸潤した腫瘍。
    3.迷走神経の緊張過剰。
    
      ☆心室性頻拍
   1.ヒス束分岐より遠位の心室起源から発生し心室性期外収縮(VPC)が4つまたはそれ以上続いて
        出現する不整脈。
   2.心室性頻拍は血行動態による心不全やアダムス・ストークス発作
         (血圧低下に伴う脳血流障害による失神発作などの脳虚血症状)を来す重症不整脈である。
     ◇原因
  心室性期外収縮とほぼ同様。 
     
 
          
  犬の診療最前線・interzoo より