☆心不全   
   心不全(HF)とは、心機能の異常により心臓が生体の組織代謝に必要な血液を拍出出来ない
状態をいう。臨床的には、心臓の低拍出状態による臓器の低灌流状態をいう。臨床的には、
心臓の低拍出状態による臓器の低灌流状態を指し、これを代償するために心室の拡張期圧が
上昇し肺や体循環系にうっ血や浮腫などの症状が発現した状態をいう。
    ◇分類
  1.慢性心不全,急性心不全
  2.左心不全,右心不全
  3.収縮障害性心不全,各腸障害性心不全
  4.低拍出性心不全,高拍出性心不全
 ◇慢性心不全
  除々に心疾患が進行することによって発症する。急性心不全に比べて生体の代償機序が
作動するが、最終的にはこれらのホメオスタシスも破綻し、臨床的にうっ血症状が発現する。
   心不全時に働く生体の代償機序
    1)Frank-Starling機序
    2)交感神経系の亢進
    3)腎臓での体液調節
    4)レニン-アンギオンテンシン-アルドステロン(RAA) 系の亢進
    ◇原因
  1.右心不全
    1)先天性
       a)肺動脈狭窄症
       b)心房中隔欠損症
       c)三尖弁形成不全症
    2)後天性
       a)犬糸条虫症
       b)慢性閉塞性肺疾患
       c)三尖弁の粘膜腫様変性
  2.左心不全
    1)先天性
       a)大動脈狭窄症
       b)動脈管開存症
       c)心室中隔欠損症
       d)大動脈弁閉鎖不全症
    2)後天性
       a)僧坊弁の粘液腫様変性
  ほかに心筋症(主に拡張型心筋症),重度の刺激伝導系の異常,内分泌疾患(甲状腺)、
心臓腫瘍などがある。
  ◇急性心不全
  急激な心ポンプ機能の低下による低心拍出状態をいう。急性心不全では生体の代償機序が
十分に働かないため、積極的な治療 を行わないと死の転帰をとる。
  原因
  1.急性右心不全 
    1)先天性
        a)肺動脈狭窄症(重症例)
    2)後天性
        a)犬糸条虫症,大静脈症候群(VCS)
        b)肺塞栓症
  2.急性左心不全
    1)先天性
        a)動脈管開存症
        b)心室中隔欠損症(短絡量の多いケース)
    2)後天性
        a)僧坊弁閉鎖不全症
          (腱索の断裂や代償されていた慢性経過の破綻) 
 

                         
    犬の診療最前線・interzoo より